【ジェンダーと食】第一回 -日本米からの男女意識の変化-

人に良いと書いて、「」。
人間本来の生命活動として古来より発展し続ける食文化を追求しながら、
こちらのコラムでは現代のジェンダーの目線についてまとめていきます。

食を通じることにより、単なる食べる事での栄養補給するだけでなく、
新たなコミュニケーションや文化や経済を創る起点となり、ファッションや流行へも敏感に共存している。
食文化の歴史的視点から日本食風習文化の移り変わりを食材に焦点を充ててみながら振り返り現代の食との関わり合いを観ていきたいと思う。

第一回は、[
米
日本食と言えば誰もが米を思い浮かべるだろう。昨今、米の消費量が減少したと言えども、切っても切り離せない関係でいる。
中国や東南アジア諸国でも米は食べられているが、とりわけこれまでの日本では米が重要な位置を占めてきた。
古来より、男女で力を合わせ稲作を行い米を中心に食文化を形成して来た。
米を中心におかずを必要とし、今でこそ肉食文化になったが、魚と野菜を中心に日本食は発展を遂げてきた。
その中で、米を中心に男性と女性の役割は自然と分担されてきた。

男女の仕事の在り方として

力仕事が多い漁や狩猟を男性が行い、アイデアを要する食材を活かす調理などは女性が行い、いつしか男性が仕入れ、女性が制作という風習が出来上がる。
米のある生活が家庭を築き上げ、各家庭の味が定着されそれぞれ(おふくろの味)として風潮が作り上げられてきた。

また、米が納税のひとつとして経済を支えてきた歴史もある。
これにより経済活性が行われ、いつしか田畑の規模や生産量がステータスとなり、日本経済を支えてきたのである。そして各地方では地主を中心に稲作文化を定着させていく。

米を中心とする食生活が一汁三菜の基本やきりたんぽや五平餅など郷土料理など各地方でのオリジナルメニューも作られ今も尚、根強く生き続けている。おにぎりは日本の代表するファーストフードとなっていき、3食米を食べながら日本の米文化を支えてきた。

戦後の小麦普及と共に、、現代ダイエットまで

戦後、農地改革や欧米からの洋食文化が発展を遂げるにつれ、パンやパスタを中心とした献立メニューが流行し、デパートに買い物に行き帰りにレストランで食事をする事がいつしかステータスと移り変わっていく。
自分も幼少期、デパートに連れて行ってもらう事がなによりの楽しみの一つだった。

近年では、糖質制限などのダイエットブームもあり。いつしか米を嫌煙している。
特に女性には痩せるということに男性よりも敏感ではあるが、最近ではその差もあまり感じられなくなっている感もある。
ジェンダー差が無くなったのは、このダイエットが一番身近なのかもしれない。

今までは容姿は男性よりも女性にとって重要視されてきた。
女性の自己評価は身体的要素が重要とされ、それによりファッションやメイク、ヘルシーな食文化でのコミュニケーションを中心に女性の評価を受けてきた。
男性の場合、外見が美しくなくとも有能であれば、あの人は仕事が出来る、彼はスポーツが万能などと、内面的要素をポジティブに評価されてきた。
実際、普段ファッショナブルな学生が就職面接を行う際にファッションセンスのなさそうな姿に変えて内面を評価してもらえるよう努めての来たのも事実である。

だがいつしか、ファッションを中心に考えるが故に、男女ともダイエットをするため、糖質をあまり接種しないように米やパンなどの炭水化物の王様達を食生活の中から無くしたダイエットをし始めた。
最近では過度の糖質制限が原因となり引き起こす病や精神的面に及ぼす影響なども囁かれている。
また、核家族化により朝食を食べない家庭が増えた事もあり、年々、米の消費量は低下し続ける形となった。

料理はどちらがする?女子?男子?

男子は台所に立ってはいけない]などと昔は言われ、女性が料理をすることが当たり前な時代から、男性が自炊レベル以上の料理を恋人や知人へ振る舞う最近。
どちらかと言えば、私の持論ではあるが、女性よりも男性で料理を趣味にされている方が多いと思う。
ビジネスでも、料理人以外の年収2000万以上のビジネスマン男性へのアンケートで、料理を趣味にする男性が8割を超えていることが判明している。仕事にも多大な影響が出始めていると言える。

料理=女子]のような風習はいつしか風化され、男女の垣根無く料理を楽しみ、コミュニケーションの一環として確立されている。

今回のテーマの観点から日本の食生活から男女の役割などを述べてきた。
10代20代の女性を中心に米農業を行う、ギャル農業なんてほんの数年前には誰も思わなかったであろう。
田植え希望者が毎年、増加している事実もある。農業の世代交代が叫ばれる中、若年層の意識が自らの手で土をいじり農作物の成長過程を楽しみにする事で食材の大切さや、新たな地域との環境を創っている。
普段の仕事上ではまだまだ男性女性の格差は少なくなったと言えども無くなった訳ではない。ただ、はじめに書いたように、男性と女性が共同共存してひとつの物を作る起源はこの米作りから今日の基礎を日本は作り上げられた事は過言ではないと私は思う。
もしかしたら、人類進化を遂げ、次世代に残さなければいけないもの、変わらなければいけないものがハッキリしてきたのかもしれない。
私たちの心には、あの温かい炊きたてのご飯の香りがいつも懐かしく、そして笑顔にさせてくれる事をいつまでも忘れずにいたいものですね。
おいしいご飯には性別も国境も壁はありませんから。

ジェンダージェンダーと食糖質制限農業

Made In Gender編集部 • 2017年11月10日


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