【第10回】まるで悪魔の研究……。「プリズン・エクスペリメント」

最近大分寒くなってきたね~!夜なんか羽毛布団が無きゃ風邪ひいちゃいそうなくらい(>_<)風邪も流行ってきてるようだから、皆さん体調には気を付けて!!

さてさて今回は、寒い冬には全く関係ない(関係ないんかい!)、超現実派な作品「プリズン・エクスペリメント」の紹介だよ◎これは前回と同じく、実際にあった話がモデルの映画です。細かく言うと、「実際にあった話」というより、「実際にあった研究」の話なんだけど。

これがすさまじい研究なのよ。もうね、見た人全員が、見終わった後にもやもやする感覚が残ると思うってくらい笑笑でもね、人によってはめちゃくちゃ興味深い作品だと思うの。

スタンフォード監獄実験

皆は「スタンフォード監獄実験」って聞いたことあるかな??これは世界的に最も邪悪な研究とされるものの内の一つ。その名の通り、スタンフォード大学内を、監獄に見立てて行われた心理学実験なの。実験者はスタンフォード大心理学部に努めるフィリップ・ジンバルドー教授。実験する目的は、「刑務所生活が個人の言動に与える影響を解き明かす」ため。

これはね、言い換えると、人って肩書とか地位があると、言動や性格が変わったりするの??ってことを調べる実験。

看守と囚人は普通の大学生!?

まず集められたのは、いたって普通の大学生。いわゆる治験バイトってヤツで、心身ともに健康な男子大学生を採用。彼らは、コインの表裏で、囚人役と看守役に振り分けられるの。

そして実験スタート。この実験が、かな~~~り本格的で、囚人役の子が捕まるところから、刑務所のセット、所内での生活リズムまで、全部実際の刑務所と同じ。実験一日目なんて、囚人役の子が、本当に何かの容疑で警察に捕まったと思っちゃうくらい。

最初は皆、マニュアルを見ながら演技してるって感じで、しどろもどろだったり、笑っちゃってたりと気楽そのものなの。ところが!これが数時間経っただけなのに、おかしな変化が出て来ちゃいます。

なんでそこまでするの?!?!

さて、刑務所内には、普通の生活には無い、特殊な環境が揃ってます。色々あるとは思うんだけど、一番大きな違いは、看守に絶対的な権力があること。つまり、囚人からしたら看守の言う事が絶対だし、看守からしたら「俺たちがルール」なわけなのよ。つまり、看守の暴走を止められる人が、刑務所内にはいないのね。

実験初日の後半、看守役の一人がそのことに気づいて、やるなら看守になりきろうと行動したのが全ての始まりです。最初は囚人の点呼を何回も取らせるとか、多少面倒くさいことをやらせる程度だったんだけど、そこに腕立て、ジャンプ、失敗したら全体責任とか、どんどんとハードなオプションを付けだすの。それがどんどんとエスカレートしていって、規約違反の暴力沙汰に発展したり、囚人側が脱獄を試みたりと、実験とは思えないような惨状に発展していきます。。。

ずっと様子を観察している教授の方までおかしくなっていって……??!この地獄はいつまで続くのか。そして囚人役、看守役の学生たちはどうなっちゃうの……?!?!

人間が抱える怖さと狂気が炸裂

いやぁ……もうね、これは本当に、見た人にしかわからない。生生しい怖さがある映画だよ(ーー;)あまりにも過酷な実験故に、脱落者続出。実験自体も当初1~2週間かけて行われるはずが、わずか6日で打ち切られたほど。人間って環境と地位があればこんなこともできちゃうの……!?!?!被験者自身も、どこかおかしいと思ってる人がいるのに、なんで誰も止めないの……?!?!って思いながら見てました笑笑

作品中で、「看守を演じていて、楽しいと思ってしまった。」とか、「どうしてあんなことが自分にできたのかわからない。」って言っていたことはすごく印象的だった。人間が潜在的に持つ残虐性がよくわかる作品ではないかな。重い内容の映画だけど、人として大切な教訓がたくさん詰まった作品だと思うの。興味ある人には、是非見て欲しいな。

画像引用:prison-experiment.com

Movie Holicアメリカ映画

hiyori • 2017年11月6日


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