アメリカの人権団体 Human Rights Campaign (ヒューマン・ライツ・キャンペーン )よると、今年のリオデジャネイロ五輪には少なくとも42名もの性的少数者(LGBT)の選手が参加していたそう。ロンドン五輪の23人を上回り過去最多となった。
2014年のソチ五輪では開催国ロシア政府が制定した反同性愛法が非難を浴びた。しかし今回のリオ五輪は A NEW WORLD(新しい世界)をスローガンに掲げ、移民や奴隷の歴史を紡いだ『多様性』が大きなテーマとなっていた。
五輪開会式にはトランスジェンダーのモデルが参加
img:vogue.globo.com
開会式で各国の選手が入場する際に1台の自転車が先導していたのはお気づきだろうか。開催国ブラジルの選手団を率いて自転車に乗っていたのは世界で活躍するトランスジェンダーモデル Lea T である。ご存知の方もいるかもしれないが、ブラジル出身でGIVENCHYの広告モデル経験もあるスーパーモデルだ。2012年に性別適合手術を受け現在もモデルとして活動している。
その他にも人種や性別、宗教が異なるさまざまなパフォーマーが登場し、お互いの違いを認め合い共存する『多様性』をまさに表現していたのではないだろうか。
ラグビー女子選手が競技場で彼女からプロポーズを受ける
MY HEART!!! Volunteer Marjorie Enya kisses rugby player Isadora Cerullo after proposing 🌈 🌈 🌈 #LoveIsLove pic.twitter.com/zVa9FqPSX8
— Danielle Warby (@DanielleWarby) 2016年8月9日
リオ五輪からオリンピック正式種目として選定された女子7人制ラグビー。そのブラジル代表の選手が試合会場でプロポーズを受けたことが各国で話題となった。
決勝戦終了後のスタジアムでマイク握りプロポーズをしたのは試合運営に携わる同じブラジル女性のエニヤさん。結婚を申し込まれたセルロ選手は「イエス」と返答し、観客やチームメイトから祝福を受けた。試合に加えて新たに感動の嵐が会場を包み込んだのだろう。
ゲイを公表している競歩選手も恋人に公開プロポーズ。Twitterにその様子を投稿
He said YES!!! pic.twitter.com/roXsw7oq8f
— Tom Bosworth (@TomBosworth) 2016年8月15日
競歩のイギリス代表、ボスワース選手もリオのビーチにて恋人にプロポーズを決行。プロポーズ相手から「イエス」の返事をもらったことをTwitterで報告した。
相手の男性のほうも結婚指輪をはめた写真をTwitter上に投稿し、こちらもまた多くの人から祝福のメッセージが寄せられいる。
今後トランスジェンダー選手がオリンピックに参加しやすくなる模様
昨年の1月に国際オリンピック委員会(IOC)がトランスジェンダー選手に関するガイドラインを改定したことはご存知だろうか?
これまでは性別適合手術やホルモン補充療法が参加条件として義務付けられていた。しかし、この改定により性別適合手術を受けていなくても出場が可能となった。MtFとFtMとで細かなガイドラインは異なるがこの規制緩和は大きな進展であろう。
リオ五輪には2名のトランスジェンダー選手が出場したと報道されているが、個人情報に関わるとして詳細な情報は明らかになっていない。
まもなく開幕するリオデジャネイロ パラリンピックではどんなドラマが生まれるのだろう!