LGBTって何?

昨今、テレビや雑誌などのマスメディアやインターネット上で「LGBT」という言葉がよく聞かれるようになった。意味はよくわからなくとも、このアルファベット四文字を耳にした、あるいは見たことがある、という人は多いだろう。

この記事では、「そもそもLGBTとは何か、どういう意味で使われているのか」を簡単に解説したい。

LGBTとは?

LGBTとは、同性愛者やトランスジェンダー(性同一性障害などを含む、心と身体の性が異なる人々)などを広く指し示す言葉として使われる。性的少数者セクシュアルマイノリティと呼ばれることもある。

四文字のアルファベットは、Lesbian(レズビアン)、Gay(ゲイ)、Bisexual(バイセクシュアル)、Transgender(トランスジェンダー)の頭文字をとったもの。

Lesbian(レズビアン)

女性として女性を好きになる、女性同性愛者。

Gay(ゲイ)

男性として男性を好きになる、男性同性愛者。

Bisexual(バイセクシュアル)

本人の性別に関係なく、男性・女性どちらも好きになる、両性愛者。

Transgender(トランスジェンダー)

出生時に割り当てられた身体的な性別と、心の性別が異なる人を指す。

男性の身体を持って生まれた心が女性のひとを、Male to Femaleの頭文字をとってMtF、女性の身体を持って生まれた心が男性のひとを、Female to Maleの頭文字をとってFtMと呼ぶ場合が多い。

また、最近では異性装者であるtransvestite(トランスヴェスタイト)などの、性別を超えた装いをしたり役割を持ったりする人々は全てトランスジェンダーに含むとする考え方も出始めている。

その他様々なセクシュアリティ

「LGBT」は上記の4つを代表としてこれらの頭文字をとっているが、他にも様々なセクシュアリティ(性のありかた)が存在する。

たとえば自身の心の性別が男性と女性の中間であったり、どちらでもあったりなかったりと、「男女」の枠の中に収まらないXジェンダー。「男女」だけでなく、全ての性別を恋愛対象とするPansexual(パンセクシャル)。性別に関わらず他者を恋愛対象としない、あるいは非常に恋愛感情の薄いAsexual(Aセクシュアル/アセクシュアル)、自らの性自認や性的指向を探している最中の状態をあらわすQuestioning(クエスチョニング)などが存在する。

「LGBT」以外の呼称

LGBT以外の呼称

「LGBT」は、その末尾に更にいくつかのアルファベットを追加して、「LGBTQ」や「LGBTA」、「LGBTQIA」等と呼び表されることもある。

LGBTQ

LGBTにQueer(クィア)あるいはQuestioning(クエスチョニング)の頭文字を追加した言葉。

クィアは元々「奇妙な」「変わり者」という意味で、現在では一部の当事者がセクシュアル・マイノリティ全体を呼び表す時に使うことがある。

LGBTA

LGBTにAlly(アライ)の頭文字であるAをとって追加した言葉。

アライとは元々「同盟者」の意味で、転じてLGBTに対して理解を示し、サポートを宣言している人を指す。LGBTとそのAllyを取り巻く環境、あるいはそのコミュニティ、という意味でLGBTAやLGBT+Aという言葉が用いられることも多くある。

LGBTQと組み合わせてLGBTQAと呼ぶこともある。

LGBTQIA

LGBTQAに、Intersex(インターセックス)をプラスして呼び表す言葉。アメリカで使われることが多い。

インターセックスとは、身体の性別を男性か女性かはっきり分けられない状態を指す。ただし、この状態の呼び方に関しては当事者の中でも賛否両論があり、しっかりとは定まっていない。

それ以外の呼称

「LGBT」は、数多く存在する「セクシュアル・マイノリティを呼び表す呼称」のひとつであり、他にも様々な呼び方が存在する。現在LGBTに次いで法律や政治の場面などで多く使われるのはSOGI(ソギ・ソジ)という言葉だ。

「SOGI」とはSexual Orientation and Gender Identityの略で、直訳すれば「性的指向(誰を好きになるか)と性自認(自分がどんな性別だと思うか)」である。

「LGBT」という言葉の上では並列に並べられてしまっているが、「LGB」は性的指向(誰を好きになるか)の話であり「T」は性自認(自分がどんな性別だと思うか)の話である。

この2つを切り分けて語ることができるうえ、LGBT以外のセクシュアルマイノリティも包括できるという点で「SOGI」は優れた単語であるといえるかもしれない。

ただし、本メディアでは言葉の知名度や、他メディアで使われる呼称に「LGBT」が圧倒的に多いこと等を考慮して、原則的には「LGBT」という単語を使用している。

LGBTのシンボル


LGBTのシンボルは、世界的に「6色のレインボー」が使用されることが多い。この「レインボー」というシンボルは1978年サンフランシスコで行われたGay Freedom Day Paradeにて使用された。当初の色数は8色で、それぞれの色に意味が込められていたが、紆余曲折を経て現在の6色が一般的になった。

ただし、これは公的に定められたものではないため、色を足したりシンボルマークを加えたりと様々な派生版が作られている。

LGBTゲイジェンダートランスジェンダーレズビアン

Made In Gender編集部 • 2016年6月27日


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