上智大学がハラルフード提供の食堂を開始。学生たちの多様性に対応を

9月29日、上智大学にてハラルフードの提供を行う学食がオープンした。ハラルフードとは、イスラム教で食べることが禁じられている豚肉やアルコール類等を使わない料理のこと。2020年の東京五輪に向けてハラルフードの提供を行う飲食店も徐々に増えてきてはいるが、現状、ムスリムが東京でランチやディナーを食べに行こうとするのなら、10分そこらで目についた店へ入る……というわけにはいかない。

イスラム教におけるハラール(神に許可されたもの)とハラーム(禁止されたもの)の解釈は国や宗派、個人によって異なるが、たとえば敬虔なムスリムの中には、豚を使った食品だけでなく、豚を調理したのと同じ厨房で作られた料理も食べない人もいる。飲食店がハラルフードへの対応を考えるのであれば、禁止された食材のリストを作ってそれらを抜いたメニューを考える、といった機械的な方法ではなく、なぜムスリムがこれらの食材を口にしないのか、その理由まで理解する必要がありそうだ。

上智大学でのハラルフードの提供は、実は去年から開始されていた。ランチタイムに昼食用としてハラル対応のお弁当を販売した際には、1日150食以上が売れることもあったという。今回上智大学が専用の食堂の開始に踏み切った背景には留学等でのムスリム学生の増加は勿論、そうした「厨房問題」解決の目的もあるかもしれない。

ミッション系大学である上智大学が食堂単位でのハラルフード提供を開始したことには大きな意味があると言えるだろう。大学という場が再び「多様性」に向き合う時期が来ようとしているのかもしれない。

参考:j-cast.com

イスラム教

Made In Gender編集部 • 2016年10月5日


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