映画紹介ルポMovie Holic第三回 RAINBOW REEL TOKYO 2016②『バーガンディー公爵』

 映画祭第2弾です!!前回の「RAINBOW REEL TOKYO 2016に行ってきた!①」の方は、3日間開催される映画祭の初日のお話しでしたが、今回は最終日に行ってきました◎

まず会場に足を踏み入れて思ったことは、人増えてる…!!!ということ。初日に私がお伺いした時の6倍くらいお客さんが入ってました!こういう風に色んな方々がLGBTについて興味を持っているのはなんだか嬉しいな、と思いながらチケット売り場に並びます。

上映スケジュールを見たら、今からやるのは「バーガンディー公爵」。この作品がSMモノだと知っていた私、一瞬躊躇。(笑)でもこれも勉強の内と気を取り直して、チケットを購入しました(*‘ω‘ *)

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さぁ、とうとう上映です!映画が始まってから真っ先に映し出されたのは、緑豊かな自然。町ではなく、森の中に佇む大きなお家がこの映画の舞台となります。全体的にセリフの少ない映画なのですが、特徴的なのは、極めて芸術的な美を想起させる作品だったこと。

クローズアップで舐めるように写し出された人の表情、木漏れ日の動き、蝶や蛾の芸術的な羽。そして登場人物をまるで人形のように映し出すそのテクニック。それだけで色気というか一種のエロティシズムを醸し出していて、人の動きや話の動きは少ないにもかかわらず、すごく見応えのある印象です。
 
気になる内容はというと、なんと驚いたことに!まさかのコメディ!!
女性2人の愛情が根底にあって、ただその愛の形がSMという表現の仕方になってしまった恋人関係を描いたものでした。

そんな「バーガンディー公爵」の物語は、森の洋館の主人「シンシア」と、そのメイド「エヴリン」を中心に進んでいきます。大人しいエヴリンと、冷淡で非情さを思わせるような鉄面皮のシンシア。

最初はエヴリンに同情を覚える観客サイドですが、話が進んでいくと、シンシアが細目にメモ用紙に目を通しているのが分かります。そこにはエヴリンからのメッセージが。

――愛しい人へ。
私がブザーを押したら、しばらくそのまま外で待たせて。そしてドアを開けたら遅いわねと言って。

なるほど、シンシアの冷たい態度は全部エヴリンからの要求だったのね。

2人の愛情溢れるSMな日常を通して、M側のメイド「エヴリン」が、S側の公爵「シンシア」を振り回している様子が面白おかしく映し出されます。一見大人しそうなエヴリンが実は子供っぽく、その注文に応えるシンシア。

愛情表現に差はあれど、二人が深く愛し合い、時には自分たちのスタイルに迷いを覚える、そんな可愛らしい恋愛模様を楽しむことができました!

特に、笑うところと真剣に見入ってしまうところとで、雰囲気がガラガラと変わっていくところも面白味の一つ!しかも興味深いのは、SMなのに、生生しい恋人関係が全く映し出されないんです!全て雰囲気でじっくり味わうような、ある意味で安心して見れる映画でした笑

見終わってからは会場内で頂いたグラスシャンパンをちびり。深い味わいのある映画をより一層美味しかったと思わせるような、素敵な場でした。来年もより一層多くの人を惹きつけて、このようなイベントが開催されることを、心待ちにしております!See you again!

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Movie Holicイベント映画

hiyori • 2016年7月30日


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