独身税提案を否定、webサイト消失。炎上中の「かほく市ママ課」タイムライン。

2017年9月1日、北國新聞朝刊に「かほく市ママ課」が独身税を提案したという旨の記事が掲載され、ネット上で話題になった。寄せられた意見の多くは否定的なもので、現在(2017/9/2時点)は「かほく市ママ課」のwebページ自体が削除されるなど、いわゆる炎上状態が続いている。

現状は「かほく市ママ課」「独身税」という言葉が独り歩きしている状態だが、一体事の発端は何で、どこでどのようなやりとりがあったのだろうか。

「かほく市ママ課」とは

現在は削除されてしまっているが、2017年8月18日時点の「かほく市ママ課」のwebサイトには、ママ課について以下のような説明がなされていた。

ママになると、今までとマチが違って見える。子供はもちろん家族にとって、よりよい暮らしとは、と考えるようになる。
石川県かほく市では、そのママたちの視点をマチづくりに取り入れられないかと考えました。そして立ち上がったのが「かほく市ママ課」です。
ママたちが主役となって、子育ての環境はもちろん、暮らしの仕組みまで、ママたちのアイデアを反映していきます。
子供を育てるように、自分たちの暮らすマチをを立てていく。そうすれば、このマチは日本一ママにやさしいマチになれるはず。
ママたちによる新しいマチづくりのカタチが、ここかほく市から産声をあげます。
引用元:http://www.city.kahoku.ishikawa.jp/content/mamaka/

どうやら「子育て中の女性の声を街づくりに反映させるための組織」として誕生したものらしい。市民の声を拾う中でも、特に「ママ」に重点を置いたもの、ということだろう。施策等に直接の影響力がある団体というわけではないようだ。

「独身税」を提案したのは本当か

北國新聞朝刊の記事は、「かほく市ママ課「独身税」提案 財務省主計官と懇談」という見出しをつけた上で、ママ課が独身税を提案したという話を以下のように報じている。

メンバーが「結婚し子を育てると生活水準が下がる。独身者に負担をお願いできないか」と質問したのに対し、阿久澤氏は「確かに独身税の議論はあるが、進んでいない」と述べた。
引用元:http://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20170830302.htm

今回「炎上」の原因となったのは紛れもなくこの一文だろう。しかし、これに対して石川県かほく市は、ホームページ上でこの報道事実それ自体を否定する声明を出していた。
尚、こちらの声明に関しても既にwebページ自体が削除されており、既に閲覧することはできない状態になっている。

「ママ課」をめぐる真相と問題

「ママ課」に関するwebページも独身税提案を否定する声明も消えてしまった今、今回の件に関してかほく市側の意見や主張を見るすべが失われてしまい、北國新聞朝刊を見る以外の選択肢がなくなってしまっているのは事実だ。

独身税提案を巡っての「言った・言わない」やそれ自体に対する是非、また、「ママ課」というネーミングやそのコンセプト自体に対する疑問の声も上がる中、かほく市が今後どのような対応を行っていくのかが気にかかるところではある。

「ママ課」はどうあるべきだったか

たとえば父親の育児は子育てではないのか。「ママ」だけが子供を育てる人間なのか。「ママ課」それ自体についてはそういった疑問が呈されているが、それはさておき、「子育てをする既婚女性」から独身税を求める意見が実際に寄せられることは充分に考えられる。

隣の芝生は青く見え、余裕がなくなると視野が狭まってしまうのが人間だ。育児に時間も金銭も割かなければならない状況下で、「独身世帯であればこういった経費はかからないのだから、その分を税金として徴収し、分配して欲しい」という考えが生まれるのは、人によっては、そして時と場合によってはごく自然なことかもしれない。

問題は「かほく市ママ課」という言葉が、まるでかほく市の街づくりに直接関わる組織であるような印象を与えてしまったこと、報道によって公的な場でかほく市自体が「独身税」の検討を行っているかのように捉えられてしまったことにあるのではないだろうか。

かほく市ママ課と独身税をめぐる議論は今しばらく続きそうだが、今後かほく市がどのような対応を行っていくかも含めて、注意深く動向を見守っていきたい。

かほく市ジェンダー独身税石川県結婚

Made In Gender編集部 • 2017年9月3日


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