「LGBTも生きやすい社会に」ピンクドット沖縄開催。「LGBTイベント」を考える

img:pinkdotok.jp

7月17日に沖縄県那覇市で開催されたPink Dot Okinawa。「LGBTも生きやすい社会を」と願うひとびとがピンク色のアイテムを身につけて集まる「Pink Dot」というイベントは、2009年にシンガポールで始まったものだ。ピンクドット初開催は2013年7月。今回は4回目の開催となる。

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パートナー証明書付与も

今回のピンクドット沖縄では、「那覇市パートナーシップ登録制度」の第一号申請者への証明書の付与と人前結婚式が行われた。那覇市は昨年、「性の多様性を尊重する都市・なは」宣言を発表しており、今回のパートナーシップ登録制度も、その理念に準じて制定されている。

今回結婚式を執り行った二人は、いずれも沖縄出身。いわば「里帰り婚」となったという。

自らの生まれ育った地域で結婚式を挙げる、というささやかな希望が、同性カップルであるというそれだけの理由で叶わない現状がある。同性同士のカップルを受け入れる結婚式場が増えてきているとはいえ、地方で同性婚を挙げることには、様々なハードルがつきまとう。

そうした現状を打ち破る意味でも、今回沖縄出身の二人が「地元」で人前結婚式を執り行ったことには大きな意味があるだろう。

「LGBTイベント」の残す課題

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img:themiddleground.sg

とはいえ、これは「ピンクドット沖縄」に限った話ではないが、LGBTイベントが残す問題点もいくつか懸念される。そのうちのひとつが「同性婚」や「同性カップル」に大きく比重が傾いている点だ。

今や日本国内で複数の自治体が「パートナーシップ」に関わる制度や条例を制定し始めている。こうした中で同性婚への関心が高まるのは当然のことだと言える。

しかし、たとえばトランスジェンダーや、それ以外のセクシュアリティが何らかの主張を行う場は、きちんと確保されているだろうか? こうしたイベントの場合、真っ先に唱えられるのは「人を愛することの自由」である。だが、それと同様に、たとえば「自分が男性/女性であることの自由」あるいは「男女どちらでもある/ないことの自由」「人の愛し方の自由」もまた、重要視されなければならないはずである。

もちろん、これは単純な喩え話だ。しかし、実際にこうしたイベントに足を運んだ際、あまりにも「同性愛」に関するトピックが幅を利かせすぎていることを、筆者自身が肌で感じることも多い。

「LGBT」という言葉がメディアに露出するようになり、人々への認知が高まってきたここ数年は、LGBTイベントシーンにおけるひとつの転換点と言っても良いだろう。この現状をふまえ、今後「LGBTイベント」が更なる進化を遂げることを期待したい。

LGBTPinkdotイベントニュース沖縄

Made In Gender編集部 • 2016年7月20日


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