世界には、我々が知らないLGBT映画がまだまだ沢山ある。『キャロル』や『リリーのすべて』のように大型の映画館でも公開され話題になったものはまだしも、ミニシアター・単館系や、そもそも日本で公開されていないものがあることを考えれば、多くの名作映画が陽の目を浴びる機会を待ち続けていると言っていい。
参考:LGBTって何?
そんなLGBT映画を心ゆくまで堪能できる1週間、レインボー・リール(東京国際レズビアン・ゲイ映画祭)が、今年も開催される。
レインボー・リールとは?
img:rainbowreeltokyo.com
今年で第25回を迎えるレインボー・リールは、昨年度まで「東京国際レズビアン・ゲイ映画祭」という名で親しまれていたLGBT映画の祭典だ。レズビアン、ゲイだけでない様々なセクシュアリティーの存在を視野に入れ、25回目となる今年改名に踏み切った。
2016年7月9日〜2016年7月18日まで、シネマート新宿と青山にあるスパイラルホールで様々なLGBT映画を上映する。上映館と上映スケジュールは日によって異なるので、詳しくはタイムテーブルをチェックしてほしい。
注目の映画TOP3
できれば全ての映画を観てみたいけれど、そうもいかない……という人のために、Made In Gender編集部が注目する映画を3本ご紹介したい。
チェッカーで(毎回)勝つ方法
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チェッカーとは、西洋碁とも呼ばれるボードゲームのこと。市松柄のボードの上で互いの駒を取り合う遊びだ。駒の色は赤と黒。
物語の舞台となるタイ王国では、21歳を迎えた男性は2年間の兵役を課せられる。ただし、全員ではない。くじで「当たり」を引いた者だけだ。本作の主人公オートの兄と、その恋人の二人もまた兵役の有無を決めるくじを引くことに。
黒が出れば「ハズレ」、すなわち兵役を免れることができる。「あたり」となるのは赤いくじだ。「チェッカーゲーム」が何を指すか、もうおわかりだろう。
本作はアメリカ大使館の後援作品となっている。
ガールズ・ロスト
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LGBT映画には珍しい、ファンタジー要素の入った作品。
親友同士だった少女3人が発見した不思議な花の蜜には、少女を一時的に少年に変える力があった。自らの身体に違和感を抱いていたキムはこの力に大喜びするが、やがて彼らの友情はひずんでいくことになる。
舞台はスウェーデン。北欧映画らしい色使いで描かれる一風変わった物語だ。こちらはスウェーデン大使館の後援作品。
ハイヒール革命!
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MtFトランスジェンダーの真境名ナツキを追うドキュメンタリードラマ。ドキュメンタリーパートと再現ドラマパートとからなる本作だが、どちらも観応えはたっぷりだ。
再現ドラマパートで主人公の真境名ナツキを演じるのは、『龍馬伝』や実写版『怪物くん』に出演し人気を博した濱田龍臣。その他西尾まりや藤田朋子など、豪華キャストが名を連ねる。
いかがだっただろうか。レインボー・リールのチケットは1回券が前売り1,400円、当日1,700円。他にも回数券やパスポートの購入でお得に観ることができる。
今年の夏はLGBT映画を満喫してみてもいいかもしれない。