ファストファッション時代の終焉。新たな「洋服哲学」エシカルファッションとは?

ファストファッションが我々の生活にもたらした恩恵は大きい。トレンドに乗った、そこそこ良質な服が簡単に手に入るようになり、ワードローブの幅はぐっと広がった。

「ファッションを楽しむ」ことが身近になった背景には、確実にファストファッションの手軽さがあるだろう。

だが、近年「大量生産・大量消費」を前提としたファストファッションに真っ向から反対する新たな価値観が徐々に支持を集め始めている。「エシカルファッション」と呼ばれるそれは、トレンドというよりもひとつの哲学だ。

「エシカル」とはなにか

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img:efj.stores.jp

エシカル(ethical)は、直訳すれば「道徳的である・倫理的である」という意味の英単語だ。ファッションだけでなく食生活やライフスタイルそのものに関わる言葉として、英語圏を中心に広く聞かれるようになった。

たとえば、商品の梱包に無駄な紙が使われていないか。その製品を作った生産者は充分な対価を受け取っているか。

製品の価値を値段や機能に置くのではなく、それが生産されてから消費者の手に届くまでの間にどれだけ「道徳的・倫理的」であったかを問う価値観である。その根底を支えるのは、環境や人権問題への意識、動物愛護の精神だ。

「エシカル」なファッション

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img:peopletree.co.jp

エシカルファッションを提唱するショップのひとつに、フェアトレード製品を取り扱うピープル・ツリーがある。

フェアトレードとは、発展途上国で働く生産者からの搾取を防ぎ、正当な対価を支払って取引を行うこと。ピープル・ツリーで取り扱っているファッションアイテムも、あらゆる国の人々が手作業で仕上げた「一点もの」だ。

オーガニックコットンや手織りなど、手仕事の技術が光る商品が並ぶ。

なぜ「エシカル」が必要なのか

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img:peopletree.co.jp

当然、こうした商品はファストファッションメーカーが出している衣類に比べると割高だ。だが、値が張ると言っても精々2、3倍程度。

今、あなたのクローゼットには「安かったから買ったけれど、数えるほどしか着ていない」服が何着あるだろうか?

「安く、良質」な服を生産するために途上国の人々が搾取される一方、先進国では毎年多くの服が捨てられている。エシカルファッションはその現状に疑問を投げかける。

自分一人が満足するファッションではなく、他の誰かのためになるものを。

そんなスピリットを持った「エシカルファッション」が、ファストファッションと並ぶ、いやファストファッション以上の勢いを持って市場を圧巻する日も、そう遠くないかもしれない。

参考・画像引用:peopletree.co.jp
ethicalfashionjapan.com

エシカルフェアトレード

Made In Gender編集部 • 2016年7月8日


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